みなさま、こんにちは。
JTUGのゴールドスポンサーであるインテージテクノスフィアでTableauを推進していらっしゃる久保田さんに現在のお仕事を伺ってみました。
株式会社インテージテクノスフィア
DX共創センター 第2グループ グループリーダー
久保田 郁亮さん
2011年にインテージ入社、テクノロジー本部配属(現インテージテクノスフィア)。
アンケート集計システム開発、データ統合基盤開発およびその活用啓蒙を経て、
現在はDX共創センターでマネージャーとしてBIツールからデータ基盤までデータ活用の企画・開発を支援。
最近は、在宅勤務の際に和田アキ子さんの「古い日記」を聴いてから仕事を始めるとやる気がみなぎることを発見。ハッ!
久保田さんのお仕事や経歴の紹介
JTUG:まずは久保田さんのご経歴をお聞かせください。
久保田:大学ではマーケティング工学を学び、ID-POSデータを用いてブランドロイヤリティのモデル化をしていました。インテージグループで扱っているパネル調査に近いデータを分析していました。
JTUG:入社前からすでにデータ分析の経験があったのですね。久保田さんの現在のお仕事をお聞かせください。
久保田:最初に配属された部署では、アンケートデータ集計システムの開発をしていました。その後、データ基盤の開発プロジェクトを担当し、その頃にTableauを使い始めました。データ基盤×Tableauでさまざまなデータに触れる機会がありました。その後、「DX共創センター」という組織が新設されたタイミングで異動しました。今は「データ活用」をテーマとして、データ基盤構築やBIツール導入の企画提案をしています。
JTUG:データ活用支援とは、広い範囲での支援を求められているのですか?
久保田:そうですね、「システム開発」という言葉ではおさまらない範囲だと捉えています。システム開発の観点、人材育成の観点、文化醸成の観点など、どれかひとつでも欠けると目的の実現が困難になります。
JTUG:お客さまのどのような部門の方々とやりとりをするのでしょうか?
久保田:システム部門に加え、ユーザー部門やDX推進部門、経営企画部門も巻き込んで取り組むことがあります。目的設定の段階からユーザー部門を巻きこんだほうが失敗のリスクを軽減できると考えています。
JTUG:他に意識していることはありますか?
久保田:「変わること」を前提に取り組みます。取り扱うデータの種類・量、ユーザーの用途・スキルなどはどんどん変わっていきます。ITも進化していくので、データ基盤を構成するサービス・製品を変えていくことはポジティブなことである、とお客さまにも伝えています。
SIerとは一線を画した幅広い業務支援
JTUG:データ基盤やBIツールの導入は、いわゆるシステム開発とは、少し違いますね?
久保田:実は、私たちのやっていることは、システム開発は一部分であって目的設定や関係者との合意形成や軌道修正……。
JTUG:なんでも屋になってしまう?
久保田:なんかこう、スキルチェックシートには項目として存在しないようなスキルがついてくるみたいな……。
JTUG:それはなんでしょうか?
久保田:お客さまが口にした言葉の裏側を推察したり、前に進めるために何をすべきかを提示したりとか……。ぼんやりしてしまいますが、コミュニケーション能力とかコンサルティング能力とかになってしまうのですかね?
JTUG:スキルだけではなく、業務の進め方もシステム開発とは異なりますか?
久保田:そうですね、開発が始まるまでの工程が特に異なると思います。データ活用の領域では、何をしたいか何をすべきかが決まってないところからお客さまと仕事を始めることも多いです。それをあぶりだしていくには、お客さまの言葉から汲み取って、なんらかイメージがつくものを提示して、意見を引き出して、を繰り返してどんどん実現したいことを明確にしていきます。
JTUG:モノを作っているだけだとダメなのですね。データ基盤を構築して、さらに、「データはこういう風に見ていく」、「データを見た人はこういう判断につなげる」といったところまで見せないといけませんよね。
久保田:はい。お客さまにとってデータ基盤はデータ活用実現のための一部ですので、人材育成や啓蒙活動などもっと広い範囲での支援を求めていらっしゃることも多いです。
JTUG:システム開発の範囲を超えた業務支援ができている背景には何があるのでしょう?
久保田:インテージテクノスフィアのビジョンは「データに魂を吹き込み、世の中を感動させる」であり、データに強いシステムエンジニア集団であると言えます。
データに強いシステムエンジニア
JTUG:なぜデータに強いのでしょうか?
久保田:多くのSIerはお客さまの課題をシステムで解決することが仕事なので、自分たちのためにITやデータを活用するといった経験があまりありません。インテージテクノスフィアでは自分たちの課題のためにデータを活用する機会を増やしています。開発部門による工数管理、人事部門による人事情報活用、経営企画部門に事業計数管理など、さまざまなシーンでBIツールが活用されています。自分自身で課題を設定して、必要なデータを準備して、分析した結果を人に伝えるということを経験しているので、お客さまとも共感しながら道筋を示すことができます。これが一般的なシステムエンジニアから脱皮するためのポイントかなと思います。
JTUG:コンサルとエンジニアが合体したような形ですよね。それが理想ですね。「キレイごとだけ書いて納品して、実現する時にはもういない」ようなコンサルティングもある中で、「データから入る」って、今までにない世界観な気がします。通常のコンサルティングは、フレームワークから入って、フレームワークの空欄部分に一生懸命文字を入れるという作業が入る。Tableauだとすぐに図になったりするので、とても速いですよね。
久保田:そうですね。社内のデータを見たことがないお客さまもいらっしゃいますが、その状態でいろいろ考え込むよりも、まずデータを見ながら現状を正しく捉える。頭の中の情報だけで議論を重ねるよりも、正しい進め方だと思います。
共創とは?
JTUG:こういった久保田さんの仕事の延長線上に「共創」があるような気がしました。DX共創センターはどうして始まったのでしょうか?
久保田:これまでは業界別の組織編成の中で、業界ごとのソリューション提供や受託開発に取り組んできましたが、ここ数年のDXやデータ活用に対する各企業の意識の高まりにより、どの業界でもデジタル化、データ基盤構築、BIツール導入の話が出てくるようになりました。業界特有の部分はあるものの、ベースとなる考え方やアプローチ方法など共通部分が多いです。各組織をつないで横断的に動くことで、面を拡大させ、スピードを加速させようというねらいだと私は捉えています。DX共創センターができる前は業界ごとの引き合い情報や案件実績は組織内に閉じられてしまうことが多かったですが、いまは組織の垣根が低くなって情報が全社に共有され、手を取り合うことが増えてきました。
JTUG:社内だけでなく、外部との共創にも取り組んでいますか?
久保田:はい。共創は広義にとらえていて、社内組織間の共創もあれば、インテージグループ内の共創もありますし、外部との共創もあります。弊社のビジョンの「私たちが信じること」の中には、「あらゆる課題は共創することで解決できる」という文があります。私たちだけでできることには限界があるので、課題解決のためには視野を広げて考える必要があります。
JTUG:素晴らしい発想ですね。自分の組織名も「DX共創センター」にしてみたくなりました。共創のために意識している行動はありますか?
久保田:社内向けにも社外向けにも、情報を発信することを意識的に増やしています。共創を始めるためには、まずお互いのことを知らないといけません。社内でも「そんな実績があったの?」ということもありますし、社外から見るとなおさら「なんの会社?」という状況だと思います。まずはなにをやっているのか、どんな想いでやっているのかを発信して知ってもらうことで、なにか共創の芽を見つけていけたらと考えています。そのために、会社の公式アカウントを開設して、noteでは毎週、Twitterでは土日祝日を除くほぼ毎日、情報を発信しています。
インテージテクノスフィア公式note
https://note.intage-technosphere.co.jp
インテージテクノスフィア公式Twitter
JTUG:インテージテクノスフィアの「データ活用」と「共創」についてよく理解できました。本日はありがとうございました。