エクセル月報Tableau化 2024年7月号 – 複数チャートの同時スクロールは1シートで実現 –

 mamma_dsです。エクセル月報をTableau化したいお話をよく聞きます。エクセルは自由すぎますね。実際に自由すぎるエクセルをTableau化した事例(多少変えてますが)をご紹介していきたいと考えております。

エクセル月報Tableau化の記事一覧

今月のTableau月報 - 複数チャートの同時スクロールは1シートで実現 –

2024年7月号は、割と難しい複数チャートの同時スクロールです。エクセルだと1シートに複数のチャートを並べてスクロールさせることができます。Tableauでは1シートで可視化する必要がありひと手間必要となります。Vizはpublic(下の画像をクリック)からダウンロードできます。

今月のTableau月報ポイント

・1シートに複数チャートを収める
・円グラフでTOP5とその他を分ける

活用する機能

・size() :円グラフと棒グラフの判別に使います
・rank() :円グラフの売上TOP5の判別に使います

補足説明

エクセル月報Tableau化2024年5月号-Tableau日付処理-がベースになっています。一覧表の作成は5月号をご覧ください。

Viz(Tableau月報)の作り方

1シートで活用するテクニック基礎

1シートでは横軸、縦軸を意識してVizを作成します。
円グラフとテキストは座標の中心になるように工夫して配置します。
sum(0)、size()をうまく使います。

まずはsize()の確認と計算フィールド作成

size()は見慣れない関数かと思います。確認用の計算フィールドを作成しておきます。
参考:
【Tableau】SIZE関数とは?意味から使い方まで分かりやすく解説!

上記のように配置してみてください。
左からテキスト、円グラフ、円グラフ、棒グラフと並びます。
テキストと円グラフは中央に表示するように並べます。横軸(列)は合計0で中心に、縦軸(行)も合計0で中心です。
確認用size()をテキストに入れて数値を確認してみましょう。テキストと円グラフは1となり、棒グラフは6となります。オーダー日(月報用)が6カ月分なので6となります。size()はちょっとわかりにくいですが、パーティーション内の行数を返します。
この関数をうまく活用して、棒グラフなのかをうまく判定することができます。

size()が1の場合、つまり、テキストと円グラフの場合は1,500,000。棒グラフ(それ以外)はsum([売上])となります。
テキストと円グラフが1,500,000になっているのは売上と軸が共通なため、軸の中央に表示されるように調整してあります。

1シートの配置

計算フィールド「縦軸」を行に入れます。簡易表計算にて「特定のディメンション」で「オーダー日(月報用)」を選択します

テキストの設定

カテゴリ別の円グラフの設定

サブカテゴリ毎の円グラフは後程。先に棒グラフの設定。

普通の棒グラフです。

サブカテゴリ別の円グラフでTOP5とその他を分けて表示

TOP5までは、オレンジ色でラベル表示。TOP6以下はグレーでラベル表示なしにする。

サブカテゴリと都道府県を文字列連結。
この計算フィールドによって都道府県別にサブカテゴリ毎のランキングを計算できる。

TOP5とその他を分けるために、ランキングを計算します。
RANK(SUM([売上_当月]))

ランキングの判定
[Rank]<6

ラベル表示用。6位以降は表示しない。
IF [Rank<6]
then ATTR([サブカテゴリ])
end

右のように配置し、「Rank<6」と「Label」は簡易表計算で「特定のディメンション」の「サブカテゴリ+都道府県」を選択する。

「サブカテゴリ+都道府県」は「売上_当月」で並び替えを行う。

下のシートのようにうまく可視化できましたでしょうか。

月報あるある 月報の使われ方がわからない

 依頼を受けてエクセル月報のTableau化を行う場合、月報の目的やどんな分析を行っているのか確認しても、あれもこれも見たいと言われ、てんこ盛りの月報になってしまうことがあります。そんな時は「月報確認会」や「月報報告会」があると思いますので、参加できるか確認してみましょう。私も確認会、報告会に出席して月報の使われ方をチェックしています。見るべきポイントや上司の方からどんな質問が来るのかを確認してTableau月報の改善を行います。できれば初期の段階でエクセル月報での確認会や報告会に参加できると良いと思います。完全にTableau月報に切り替わるまで、そしてしばらくは確認会、報告会に参加して改善を進められるとよりよりダッシュボードができると思います。ダッシュボードに対する意見を伺うは当然必要ですが、ダッシュボードを活用されている現場に立ち会うと聞いていなかった気づきがあると思います。

参考資料 一覧

【Tableau】SIZE関数とは?意味から使い方まで分かりやすく解説!  

マニア向け参考動画 1Sheet教

参考:伝説のあのONE SHEET研究会、Tableauでここまでできる?1Sheetの実装方法-第1回 2024/02/14開催‐アーカイブ

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