株式会社truestar シニアコンサルタント
渕内 希実子
Tableau導入以前からtruestarに在籍し、マーケティング関連案件をメインに従事。
これまで観光系戦略提案や商圏調査・分析を多く担当してきた。
この記事でお伝えする内容
はじめに
みなさま、こんにちは。株式会社truestarの渕内と申します。
今回は、以前こちらの記事で小海老澤より紹介した『Hawkeye Viewer』についてもう少し詳しく説明させていただき、さらに現在開発中の『競合出店アラートサービス(仮称)』についてもご紹介します。
Hawkeye Viewerってなに?
店舗のエリアマーケティングでこんな課題ありませんか?
- 出退店動向を知りたい
- 新店の影響を把握したい
- 来訪者の分布を見たい
競合店舗の出退店状況や来訪状況をタイムリーに把握し、わかりやすくビジュアルにご提供できるのが『Hawkeye Viewer』です。
情報収集や分析力に時間と労力をかけることなく、後手に回らず既存店舗の支援や打ち手の検討に繋げることが可能となる商圏のヘルスチェックアプリケーションです。
レポートの種類は以下の3種類。
- 競合店舗の最新動向を把握する、「出退店速報レポート」
- 競合店舗との来訪状況が比較できる、「周辺店トラッキング」
- 自店舗商圏や出店候補地の環境変化を把握する、「商圏ビフォーアフターレポート」
こちらの記事で紹介しているのは「出退店速報レポート」、今回は「商圏ビフォーアフターレポート」について詳しく紹介したいと思います。
商圏ビフォーアフターレポート
自店舗商圏や出店候補地の環境変化を知りたいときに役立つのが「商圏ビフォーアフターレポート」です。
店舗商圏レポートには、任意の店舗商圏情報を集約。過去の競合出退店に加え、将来の建設が予定されているマンションや学校など開発計画を可視化、自店舗商圏の環境変化が一目でわかります。
エリア商圏レポートでは、任意のエリア周辺情報を簡単に把握できるので、新規出店時の出店候補地の検討・商圏ポテンシャル把握に活用できます。
商圏内の環境変化を把握したら・・・
商圏内に競合店舗出店があることがわかったら、次は自店舗売上にどれぐらい影響があるのか、気になりますよね?
「商圏ビフォーアフターレポート」を導入いただいた小売店さまより、「自社商圏内に競合店舗が出店した場合の影響度を数値化し、基準値を超えるとアラートがでる仕組みが欲しい」とのお声をいただき、現在『競合出店アラートサービス(仮称)』の開発を進めているところです。
では競合店舗が出店した場合の影響度をどのように数値化するのか?その手法についても簡単に紹介します。
影響度の数値化手法について
影響度の数値化には、競合出店によりどれぐらい売上が減少するかを予測する統計モデル(重回帰分析など)を使います。
どのような統計モデルを構築するかが非常に重要なのですが、一度モデルを構築してしまえば、競合店舗の出店情報をモデルに投入するだけで簡単に影響が予測できるようになります。
今回の統計モデルに使用するデータは上図にもありますが、以下のようなものになります。
- 自店舗売上データ
- 競合出退店データ
- 競合店情報(自店舗との距離、業種、売場面積等)
- 商圏内情報(商圏人口、競合店舗数等)
これらのデータを使って何をどう予測するのか、具体的には下図のようなイメージになります。
競合店舗が出店した年月を基準として、実際の売上傾向線と過去の売上傾向線(=競合出店がなかった場合の本来の売上)との差分を、競合出店による影響としてインデックス化(=Sales Index)します。このSales Indexを、競合店情報や商圏人口など、売上と関係性の高い変数を用いて予測するモデルを構築し、競合出店時の影響度を予測します。
アウトプットイメージ
競合店舗の出店があった場合には、予測モデルを使い自動的に影響度を算出、レポート上でアラート表示(下図赤枠箇所)させるようなアウトプットを想定しています。
アラートを受けた後は・・・
このように競合店舗出店の影響度を即座に把握することにより、
- 競合店舗の価格を調査し、販促プロモーションを企画
- 競合商圏エリアにチラシを重点的に展開
- 特定の部門への影響が強い場合には、売り場改装などを検討
- 売上回復が望めない場合は、経費削減や人事異動を検討
といったアクションをいち早く、かつ適切にとることが可能になり、受ける影響を最小限に抑えることができると想定しています。
おわりに
ユーザーさまには売上データだけご用意いただきデータ加工やモデル作成は弊社にお任せ、予測結果はタイムリーに取得可能、というサービス目指して鋭意開発中です。乞うご期待ください!
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