株式会社プリンシプル 〜マーケティングデータを生かす!Tableau活用法の成功事例と重要なポイント

2023年度ゴールドスポンサーである株式会社プリンシプル様の寄稿記事です。今、Tableauは多くのマーケターに使われています。今回の記事ではダッシュボード作成だけでなく、KPI設計など実際にコンサルタントの方が日々行っている業務についても公開されています!今日から取り入れられるポイントがたくさんありますので、分析に携わる方、必見の情報です!

はじめに

多くのクライアントの皆様が以下のような課題を持っています。

  • 「Tableauを導入したが、マーケティング活動にうまく活用できていない」
  • 「膨大なデータの中から分析の出発点が見つからない」
  • 「Tableauを使って施策の効果を定期的に分析したいが、どの指標を基に判断すれば良いか決めかねている」

効果的なマーケティングを実現するには、データを精査し、得られた洞察を基に計画、実施、評価、改善のサイクル(PDCAサイクル)を繰り返すことが不可欠です。

本記事では、Tableauの運用やマーケティングデータの活用に課題を抱えている方々に向けて、弊社がサポートしたデータ分析からTableauダッシュボード作成までのプロセスと、その成功の要因を具体的な事例を交えてご紹介します。

1.事例紹介と成功のポイント

1.0.1プロジェクトの背景

今回ご紹介する事例におけるプロジェクトの背景は以下の通りです。

LINEマーケティングの施策に対する分析と定点観測用のダッシュボードを構築したいが、内部リソース面の課題があり、手が回せていないという状況でした。

これに対して、弊社側が以下のご提案をさせていただき、プロジェクトがスタートしました。

  • LINE配信がどれくらい店舗の売上拡大に貢献しているのか、顧客データを活用して分析を行う
  • ユーザーがLINEの配信をみることで、どのような行動喚起に繋がっているのかを調査する
  • 分析結果から必要な項目をTableauダッシュボード化して、効率よく分析やマーケティング施策立案・効果検証ができる環境を整える

1.0.2プロジェクトの全体像

プロジェクトは2フェーズに分けて実施しました。

全体のストーリーとして、フェーズ1ではデータ分析を行い、同時に今後追跡すべきKPIを定義しました。フェーズ2では、フェーズ1で定義したKPIを定期的に観測できるようにTableauでダッシュボードを作成しました。

以下具体的な内容および、成功のポイントを解説していきます。

1.0.3 フェーズ①:データ活用設計・解析コンサルティング

フェーズ①は以下4ステップに分けて実施いたしました。

1.0.3.1 データの定義

最初に、クライアント様から受領したデータを一覧化し、関係者間で認識を合わせます。

一覧化する際には、今回の分析に必要かどうかにかかわらず、すべてのデータを書き出すことが重要です。

また、同じデータでも取得元や出力形式の違いにより項目名が異なることがありますので、これらも整理します。

この段階で、今後関係者間での認識の齟齬が生じないよう、共通の正式名称を使用してコミュニケーションを行うよう心掛けましょう。

1.0.3.2 KPIツリーの策定

分析を開始する前に、KPIツリーの策定が必要です。

KPIツリーを策定することで、それぞれの分析が売上にどのように影響しているのかを全体的に理解し、分析の漏れを防ぐことができます。

KPIツリーの作成時には、以下の三点に注意してください。

  1. 完全性:全ての重要な要素が含まれているか確認し、抜け漏れがないように注意深く作成します。
  2. 計算可能性:各要素が四則演算可能であることを保証し、データの整合性と操作のしやすさを確保します。
  3. コントロール可能性:分析には自社でコントロール可能な要素のみを含め、外部の不確定要素に左右されない方法で計画を立てます。

さらに、過去に作成したKPIツリーがある場合、定期的な見直しを行うことで、変化する市場環境やビジネスの要件に適応させることが重要です。

この見直しを通じて、より効率的かつ効果的な分析が可能となります。

1.0.3.3 分析項目の認識合わせ

策定したKPIツリーを基に、実施予定の分析内容を整理し、文書化します。

まず、利用可能なデータの項目表を参照し、どのような分析が可能かを確認します。

次に、分析の内容について関係者と認識を合わせ、優先順位を決定します。

また、データ量が不足していることによる分析の制限など、潜在的な懸念点も関係者間で共有します。

これにより、今後の分析のプロセスがスムーズに進むようになります。

1.0.3.4 分析・レポート提出

最後に、Tableauを使用して分析を行い、その結果をレポートとして提出します。

分析実施にあたっては、以下の点を重点的に確認しました:

  1. データの品質を確保する:データが正確で完全であることを保証し、欠損値や誤りがないか徹底的にチェックする。
  2. 目的に応じた適切な分析手法の選択:分析の目的に合った方法を選択し、データから最大限のインサイトを引き出す。
  3. 結果の解釈とアクション:分析結果を適切に解釈し、それをもとに具体的な行動や意思決定を行う。

さらに、KPIツリーと分析項目を照らし合わせることで、抜け漏れや認識の齟齬を避けながら分析を進めたことも、成功に繋がった要因の一つです。

1.0.3.5 フェーズ①:お客様のお声

フェーズ①においてご担当者様から以下のようなお声をいただきました。

データ分析を開始する前に、データと分析項目を徹底的に整理することが重要です。この準備作業により、分析プロセスがスムーズに進行し、どの分野に優先的に取り組むべきかが明確になります。

社内で分析を進める際は、まず自社のデータと分析項目の整理から始めましょう。これによって、分析作業の効率が向上し、より具体的な洞察を得ることができます。

1.0.4 フェーズ②:Tableauダッシュボード構築

フェーズ①でのKPI策定と分析を通じて、今後定点観測すべき指標が明確になりました。

次のステップとして、これらの指標を継続的に監視するためのダッシュボードを構築するフェーズに進みます。

ダッシュボード構築フェーズは以下の流れで実施させていただきました。

以下具体的な内容および、成功のポイントを解説していきます。

1.0.4.1 要件定義

フェーズ①で明確になった定点観測すべき指標を軸に、ダッシュボードで可視化する項目を確定させます。

この段階では、担当者およびユーザーの皆様にヒアリングを行い、表現方法や必要なデータの粒度を詳細に整理しました。

このように事前にしっかりと整理を行うことで、データ設計やダッシュボード構築フェーズにおいて後戻りを最小限に抑えることが可能となります

1.0.4.2 イメージ設計

前段階で定義した要件に基づき、パワーポイントやFigmaなどを用いてダッシュボードのビジュアルイメージを設計します。

具体的には、時系列データには「線グラフ」を用い、割合を示す場合には「円グラフ」、大きさの比較には「棒グラフ」を使用します。

これらのビジュアル化のベストプラクティスを踏まえつつ、ダッシュボードの利用者に親しみやすい表現を選択することが重要です。

さらに、選んだ表現方法によって次の段階で必要となるデータの加工方法が異なるため、実作業に移る前にビジュアルイメージを確定させることが大切です。

1.0.4.3 データソース設計・構築

要件とビジュアルイメージを実現するために、まず元のデータを加工します。

この過程で最初に行うことは、必要なデータソースの関係性をマッピングし、整理した上で加工方針を検討することです。

この方針に従い、実際の作業はTableau Prepを使用して行いました。

データソースが日付を跨ぐごとに更新されるため、更新手順を簡略化できるように設計することが重要です。

さらに、データ量が多く加工処理が複雑になる場合、Tableau Prepのフローも複雑化する可能性があります。

そのため、後任者が保守できるように、作業のドキュメントをしっかりと残すことが重要です。

1.0.4.4 ダッシュボード構築

加工したデータを用いて、Tableau Desktop上で設計したビジュアルイメージに基づき可視化を進めます。

実際にダッシュボードを構築し操作してみると、必ずイメージと異なる部分や追加での要望が出てきます。

そのため、ダッシュボードが構築されたら、早い段階で使用者からフィードバックを受け、必要に応じて改修を重ねていくことが重要です。

このアプローチにより、より効果的でユーザーフレンドリーなダッシュボードを実現できます。

1.0.4.5 納品・スキルトランスファー

完成したダッシュボードおよびデータ更新マニュアル・設計書を納品しました。

データ更新マニュアルは、このダッシュボードを使用してデータの定点観測を行う際に非常に重要な資料です。

そのため、操作画面のキャプチャを用いて詳細に説明し、未経験者でも容易に操作できるよう工夫することが重要です。

この結果、現在の担当者は更新作業を滞りなく実施できており、ダッシュボードを利用してマーケティング施策の効果測定およびKPIの定点観測を行える環境を整えることができました。

1.0.4.6 フェーズ②:お客様のお声

フェーズ②においてご担当者様から以下のようなお声をいただきました。

マーケティングデータのダッシュボード化において、フェーズ①でのKPIの策定と分析が成功の鍵となりました。この初期段階で質の高い要求定義を行うことができたため、その後のプロセスが効果的に進行しました。

さらに、これらの要求定義に基づいたダッシュボードの要件定義と、ベストプラクティスの知見を組み合わせることにより、質の高いマーケティング施策の観測ダッシュボードを構築することが可能となりました。

これにより、データに基づいた意思決定が、より迅速かつ正確に行えるようになります。

2.最後に

本記事では、マーケティングデータの利活用及びTableauの運用に関する悩みをお持ちの方々に向けて、弊社の成功事例を基にしたデータ利活用のポイントとTableauダッシュボード化までのプロセス、そして成功のポイントをご紹介しました。

もし自社のマーケティングデータの活用やTableauの運用でお困りの方がいらっしゃれば、ぜひプリンシプルにご相談ください。

専門のコンサルタントが、貴社の課題解決を全力でサポートいたします。

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(2023年度スポンサー特典)

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